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「くく、思考は自由であるべきだと言うじゃないかキョン」 「くく、フリーダムとリバティは違うんだぜ佐々木よ」 意味不明な事を言いつつじりじりとにじりよる佐々木に対し、俺もまた何故かなんとなくじりじりと後退していた。 というかなんで俺はせっかくの休日の自室でまでこんな妙な問答をしているんだろうな? 『ほう。それで期末は大丈夫なのかい?』 『大丈夫さ、高校こそ塾に入れられないようにがモットーだ』 数日前そんなやりとりをしていたのは覚えている。 『おや? 僕との塾通いは不服だったのかな?』 『そうは言わんさ。けど高校生向けの塾となると電車を使わんと通えないからな、お前が良い例だろ?』 そうなったら小遣い制度が在廃の危機だと念押しされてんだよ。それに俺がいつまでも手のかかる奴のままだと思われるのも癪と言えば癪だ。 俺は俺でちゃんとそれなりに勉強するようになったのだぜ? そうだ。そういうアピールをしたはずだ。なのに気がつけば『俺の自室で勉強会』なんて流れになったのは何故だ? 毎度の事だが佐々木には口で勝てたためしがない。 しかし、しかしだ。 『なるほどな。さすが進学校』 『解ったかい?』 隣に座るのはまだわかる。 『ああ、ちょっと待ちたまえ』 膝を寄せてくるのもな。膝つきあわせてって言うだろ? 『こうだよキョン』 ペンを握る手に、その、手を添えるのはちょっと、いや、俺は佐々木に性差を感じたりなんかせんぞ。 何度も言うようだが佐々木は佐々木だ。 『だからねキョン』 しかし俺の背後で膝立ちになって覗き込んでくるのはだな、なんというか、あたるというか。 『なあ佐々木?』 『くく、なんだい親友? それになぜ対面に座りなおすのかな?』 その辺を指摘したところまたも佐々木による佐々木論大会が始まり、俺の思考は奴の言葉の弾幕に………… いやここで流されてはいかん。よくわからんが負けたらいけない気がする。 対面からじわじわとにじりよる佐々木に対し、俺が投げつけた抵抗が 『くく、思考は自由であるべきだと言うじゃないかキョン』 『くく、フリーダムとリバティは違うんだぜ佐々木よ』 そうやってじりじりとにじりよる佐々木に対し、俺はじりじりと後退しつつ儚い抵抗を試みたという訳だ。 というかなんで俺はせっかくの休日の自室でまでこんな妙な問答をしているんだろうな? はい回想終わり。 「ほほう、どう違うんだったかな親友?」 「フリーダムとは人が元から持ってる自由そのもの、リバティは束縛からの自由、お前が昔言ってたろうが」 どうも最近のお前は「リバティにあろうとする」為の考え方というより、やたらフリーダムな方に突っ走ってないか? そんなんじゃいつかどっかの団長みたいになるぞ。 「くっくっく。親友になら迷惑をかけても構わない、そうあるよう僕の思考から枠を取っ払ったのはキミだよキョン」 「まあ確かに66-299 「ちょっとセンチメンタルな別れを演じた風で騙されるかよ」とか、そんな事を言った覚えはあるがな親友」 ええい、なんてリベラルな奴だ。 『キョン、リベラルというのはラテン語のliber、つまり現代で言うところのリバティ、自由と同じ語源を持つ言葉だ。 その意味合いは時代や地域により異なるが、要は人は自分の意思を持つ、だから何者かに縛られることは無いという考え方だね。 権威主義や全体主義、社会主義と対応する言葉、そうした何者かに『束縛されることはない』という事。 それは束縛の存在を前提にし、そこからの解放を願う思考法と言えるんじゃないかな」 中学時代の佐々木の言葉がいいタイミングでフラッシュバックする。 我ながら器用な記憶力に敬服するぜ。 その言葉に佐々木はプレゼントを貰った子供のような笑みを返す。 「くく、その通りだよキョン。そしてキミのその記憶力は僕の中にあるfreeの語源、この場合、古ドイツ語のfrijazを刺激するね」 「あいにくだが古語なら国産モノだろうが俺の範疇外だ。ましてや古ドイツ語なんざ知るわけもねえぞ」 「無論そうだろう。だがエンターテイメント症候群のキミなら心当たりがあるのではないかな?」 ねえよ、ねえ。 「古ドイツ語、そう北欧の神話に出てくる『愛』を司る女神フレイヤもまたfrijazが語源なのだよ」 ああ確かに北欧神話ならゲームやらで出てくるな。しかし何の関係があるんだ。 「くくやはり婉曲に過ぎたか」 「なんか知らんが判じ物なら間に合ってるぞ」 するといよいよ佐々木がじわりと近寄りってきて 「ならばここは実力行使と」 「実力行使と聞いて!」 すぱん、気持ちよい音を立てて窓が開いた。 そこに居たのはもう二度と見たくもないと俺が思ってやまない立派な眉毛の 「誰が眉毛よこのキョロ介!」 「誰がキョロ介だこの眉毛!」 誰がどう見ても元1年5組学級委員長朝倉涼子であった。 あとそのアダ名をいつ鶴屋さんから聞いたんだ。 「……ええとキョン? ここは二階だったはずだが?」 ああそうか初見の佐々木は見ても判らんか。こいつはな。 「説明しようかと思ったが面倒だから帰れ朝倉」 「酷っ!」 瞬時に目と同じ幅の涙をたらたらと流す朝倉。 さすが宇宙人、器用な奴だ。というか前より感情表現の起伏がランクアップしてないか? 「ふむこの器用さと容姿と行動力、そしてキミとの気安さから鑑みて彼女も涼宮さん絡みの眷族なのかなキョン?」 お前の器用な推察力も十分その域だぞ佐々木。 「くく、賞賛と受け取っておくよ」 言いつつ佐々木は値踏みでもするように朝倉を見ている。 いや待て。朝倉がここに居るってことは。 「おい朝倉! まさか長門に何か」 「ええそうよ、エマージェンシーモード」 なんだと!? 「ああ心配しなくていいわよ」 「何言ってやがる。お前みたいな殺人鬼を呼び出すような緊急事態に」 しかし「失礼ねえ」と言いつつ、朝倉は2003年に全機退役した某超音速旅客機も真っ青な勢いの俺を制止する。 「乱入したい状況、けれどここで割り込むのは自分の役柄じゃない、その点では以前と同じなのだけれど」 歯切れの悪い事を言い、朝倉は言葉を捜すように中空を見やる。 「今回は、言ってみれば心のエマージェンシーなのよ」 なんか知らんエマージェンシー、緊急事態なら 「ああ成るほど。だいたい解った」 「佐々木?」 「つまり長門さんのジレンマ、葛藤する心が『自由に活動できるあなた』を彼女の代替として呼び出した、そういう訳かしら?」 「あら、随分察しがいいのね? 聞いていた以上だわ」 お前ら俺を放っておいて分かり合うな。 アイコンタクトするな。 説明しろ説明を。 「いや十分に説明したつもりなのだが」 佐々木はどこか困ったような顔をしている。 「なんなら長門さんに今すぐ電話してみたまえ。きっと笑って対応してくれるだろう」 「長門さんは笑ったりするような子じゃないけどねえ」 「あらそうなの?」 「そうよ」 なんでお前ら分かり合ってるんだ。 仮面優等生つながりとでも言うつもりかお前ら。 「さてね?」 「困った人が相手だからじゃないかしら?」 「ホント困った人ですね」 それから同時に「うふふ」と三人揃って笑い会う。 三人? 「けれど今回の行動も例によって独断専行よ。有益だったのは認めますが、これだけ行動すれば十分でしょう?」 「あら出やがったわね穏健派」 いつの間にやらそこに居たのは「穏健派宇宙人」こと生徒会の喜緑さんであった。 彼女はむんずとばかりに背中側から朝倉の襟をつかむと 「ではごゆっくり」 そのまま朝倉を引きずり窓の外へとすっと姿を消した。 俺と佐々木は窓に駆け寄ったものの、当然ながらその先にはただの日常風景が広がるばかりであった。 なんだったんだあいつら。 「場を乱したかったのではないかな?」 「確かに思い切りかき乱していきやがったのは事実であるが」 なんだヒマなのか宇宙人。そう言った俺をみやり、佐々木は「やれやれ」とばかりに肩をすくめる。 「キミはキミでもう少しでいいから思考の枠を外すべきだと思うよ」 そう言って、佐々木はご馳走を食べ損ねた子供のように憮然とした顔のまま苦笑するのであった。 )終わり 「キョン、どうだい喫茶店でも?」シリーズ 66-299 「ちょっとセンチメンタルな別れを演じた風で騙されるかよ」 66-286「ときにキョン、僕はそろそろお茶が怖いな」 66-377 「だから人のコーヒーを飲むな佐々木」 66-418 「ところでキョン。紅茶かコーヒーかと言えばだ」 66-461「解ったから舌なめずりはやめろ佐々木」 66-655「キョン、思考は自由であるべきだ」 66-922「フリーダムとリバティは違うぞ佐々木」 66-947『―――違い―が―解らない』
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長かった梅雨もようやく終わり、夏本番がいよいよ近づいて来た7月の初めのことだった。 放課後、一人で先に文芸部室に向かい、扉を開けるとそこには先客がいた。 「ミャア。」 小さいが、元気そうな声で鳴く、掌に載せられるような子猫。 何でこんなところに、子猫がいるんだ?どこから入り込んだ? 子猫は俺の顔を見ても、逃げ出す様子もなく、むしろ何か催促するようにミャアミャア鳴いて、俺の傍によって 来た。よく見ると、こいつは三毛猫のようだ。純粋かどうかわからんが、毛並みはそれっぽい。 困ったな、何かこの猫にやる物はないかな。 俺が考え込んでいると、ふと視界に冷蔵庫が飛び込んできた。最近、佐々木の親戚から貰った2ドアの中古品だが、 氷も作れるし、物は冷やせるし、便利なものだ。ディスカウント店の安売り開店セ-ルに、国木田と並んで買ったオ- ブントースタや単機能電子レンジと並び、我が文芸部の三種の神器となっているが、その中に、アイスコ-ヒ-を作る ために買っていた牛乳が入っていたはずだ。 だが、待てよ。子猫に牛乳はまずかったんじゃなかったかな。何か昔そんな話を聞いたような、、 とりあえず、牛乳を取り出そうと思い、冷蔵庫の扉を開けると、そこには子猫の絵がついた紙袋があった。 俺が首をかしげながら袋をあけてみると、そこには子猫用の餌と思しきキャットフードが入っていた。 ふむ。俺はそう呟く。 この状況から想像するに、この子猫は入り込んだのではなく、誰かが部室に連れてきたのだ。昨日は猫はいなかった。 佐々木は俺と一緒に朝登校したので、俺と佐々木は除外。となると、長門か朝倉か国木田だが、まあ、国木田は考え にくい。 となると、長門か朝倉だな。二人がきたら聞いてみよう。 そんなことを考えていると、佐々木が部室へ入ってきた。 「キョンお待たせ、、、ん?どうしたんだい、その子猫は?」 さあな。多分長門達が何か知っていそうだが、聞いてみないことにはわからん。 「ふうん。それにしても可愛い子猫だね。」 そう言いながら、佐々木は子猫を静かに抱き上げ、何度か頭をなでると、今度は机の上に置き、指を動かして子猫をじゃれ させ始めた。 猫じゃらしを追いかけるように、子猫は佐々木の指を追いかけ遊んでいる。そんな様子を見て、佐々木もご機嫌になったのか、 歌を歌いだす。佐々木の好きな洋楽の、題名は忘れたが、たまに口ずさむ曲。 微笑みを浮かべ、子猫をあやす姿は、まるで子猫の母親のようだ。 気がつけば、俺も一緒に佐々木と子猫を遊ばせていた。 その後長門がやって来て、話を聞くと、子猫はやはり長門が連れてきたものだという。一昨日の夕方、長門がマンションの駐車場 で見つけたのだという。どうやら、誰かが捨てていったらしい。そうでなければここまで人になついてはいない。 長門のマンションではペットを飼うには許可がいる。しかも市の条例で、ペットの飼い主は届け出をしなければならない。 とりあえず、その日は少し餌をあげて立ち去ったのだが、子猫は次の日も同じ場所にいたらしい。 このままだと、捕まって保健所に引き渡される可能性もあったので、学校に連れてきたらしい。 だけど、結局問題は何一つ解決していないのである。 で、それからどうなったか? 結論から言えば、その子猫は俺が引き取ることになった。 遊んでいて情が移ってしまったのか、それとも佐々木にうまく言いくるめられたせいかわからんが、まあいいだろう。 長門が喜んでくれたんで、良しとしよう。 喜んだのは長門だけでなく、我が妹も大喜びだった。なんでも猫がほしいーなと思っていたそうで、そこに俺が猫を連れて 帰ってきたので、妹ははしゃぎまわっていた。 おい、妹よ。おもちゃじゃないんだから、生き物はもう少し丁寧にあつかえよ。 ところで、この子猫、三毛猫だろうと書いたが、どうやらそのようで、しかもオス猫だった。 佐々木に昔、三毛猫の雄は大変珍しいと聞いたことがったが、ひょっとするとこいつは文芸部の幸運の招き猫になるかも しれんな。、 ただ、その幸運の招き猫候補に、我が妹が”絶対これがいい”と言って付けた名前は”シャミセン”という、猫にとって はとんでもない悪い名前だった。
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つるのツイッターより抜粋 @takeshi_tsuruno 福島、双葉町のサーファー仲間、 そして、今、現に一昨日まで原発で命がけで働いてた仲間から悲痛な声で電話が。。 壮絶な現場での話を聞いた。 『現場に食料が届かない!』さらに圏内で言われた通り自宅待機している皆さん、親戚も。 あぁ、、奥さんの故郷、大好きな福島、 なのに、何もできない歯痒さ! @takeshi_tsuruno 深夜福島いわきから去年末生まれたばかりの赤ちゃんを連れ 義理の弟夫婦がようやく着いた。元気でよかった 凄い時代に生まれてきた力強い命 避難所で自宅で待機を強いられている南相馬市、いわき市の皆さんにガソリンを! 物資を!と訴えることしかできない歯痒さ、クソウ! @takeshi_tsuruno 被災地にガソリンを届けたい ガソリン入れないと仕事ができない いっそのこと今は皆で覚悟を決めてベクトルの方向をひとつにすることは無理なのかなあって。 東日本だけではなくもはや日本列島全体の災だとおもう いつか皆で乗り越えたときのことを想像しながら とにかく歯がカユイ! 温度が上がらないので動いてもいなかったのに 突然いままでにガソリン・物資をと訴えてきたがごとくツイートを始める 最後の最後に歯がカユイと入れてゲスさを露呈
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橘「今日こそ佐々木さんに神様になってもらうのです!」 佐「予備校前で待ち伏せまでして…橘さんもしつこいねぇ」 橘「何と言われようとコレだけは譲れませんから」 佐「まいったね…ああそうだ。ところで『しつこい』の語源って知ってる?」 橘「語源ですか?」 佐「そう。元々ね『しつこい』は『湿濃い』って漢字を当てるんだ」 橘「へぇー」 佐「まさに読んで字の如く、湿度が濃いことさ。 ジメジメした空気は鬱陶しいことこの上ないからね」 橘「確かにそうですね」 佐「特に今日みたいな日なんて元々の意味で『湿濃い』からね。 相乗効果でより『しつこさ』を感じてしまうのかもしれない」 橘「うぅ~、すみません…」 佐「ああゴメン。あまり良い言葉じゃないのに連呼してしまったね。 でも逆に考えてみれば何か涼を取れるもので『湿濃さ』を解消できれば 橘さんの『しつこさ』も緩和できるんじゃないかな」 橘「!!さすが佐々木さんです!ちょっとそこのコンビニで何か冷たいものを買ってきます!」 佐「…さ、今のうちに…」 橘「ただいま戻りました!…あれ?佐々木さん?佐々木さーん?」⌒(゚Д゚≡゚Д゚)⌒ と、いかにもな嘘知識と詭弁できょこたんを煙に巻く黒佐々木
https://w.atwiki.jp/karishooterwiki/pages/2240.html
(現・GiGO 小名浜) 住所福島県いわき市小名浜林城字塚前18-1 最寄り駅 1プレイ 100円 設置タイトルゲーセンラブ。~プラス ペンゴ!~(ALL.Net P-ras MULTI バージョン2) アンダーディフィートHD+(ALL.Net P-ras MULTI バージョン2) カラドリウスAC(ALL.Net P-ras MULTI バージョン2) オトシューDX(ALL.Net P-ras MULTI バージョン3) ローリングガンナー(ALL.Net P-ras MULTI バージョン3) 戦刃アレスタ(ALL.Net P-ras MULTI バージョン3) コットンロックンロール(ALL.Net P-ras MULTI バージョン3) 営業時間10 00~24 00 駐車場有 TEL070-1458-5638 URLhttps //tempo.gendagigo.jp/am/onahama https //twitter.com/GiGO_Onahama 地図GoogleMaps 備考『セガワールドバレン』→『セガ小名浜』からの改称。 最終情報更新日2023年9月17日
https://w.atwiki.jp/shooto/pages/1973.html
佐々木憂流迦(ささきうるか) 本名:佐々木 佑太(ささき ゆうた) 誕生日:1989年10月7日 出身:静岡県本巣市 所属:和術慧舟會駿河道場* 身長:180cm 階級:ライト級 2009年 第6回中部アマチュア修斗選手権大会 ライト級優勝 2009年 第8回関東アマチュア修斗選手権大会 ライト級優勝 2010年 新人王決定トーナメント ライト級優勝 戦績 年月日 対戦相手 結果 大会 その他 2010/6/13 前口緑一色 ○ 2R スリーパーホールド SHOOTO GIG CENTRAL Vol.20 YouTube 2010/9/17 CRAZY D 元博 ○ 2R 判定3-0 龍争虎闘 Vol,4 2010/12/18 齊藤曜 ○ 2R 判定3-0 THE ROOKIE TOURNAMENT 10 FINAL 新人王決定トーナメント決勝戦 2011/4/1 中村好史 ○ 2R 判定2-0 SHOOTOR S LEGACY 02 2011/7/18 金田一孝介 ○ 2R 判定2-0 SHOOTOR S LEGACY 03 ■1989年生まれ ▲静岡県出身 ▼ライト級 ◆和術慧舟會駿河道場 ◎新人王決定トーナメント優勝 ●中部アマチュア修斗選手権大会優勝 ●関東アマチュア修斗選手権大会優勝
https://w.atwiki.jp/sasaki_ss/pages/1765.html
『藤原くんから見れば、そう、私にはキョンを北高へ連れていくくらいの役割しかなかったのよ』 佐々木さんの言葉はあたしの心をあの閉鎖空間へと連れ戻す。 あの日見た、混ざり合い混沌とした空間へと。 『彼の望みは力によってお姉さんを救うこと。だから本来は力の所持者なんて誰でもいいの。 けれど涼宮さんにそれをさせるのは不可能に近い。だから、私に移すという第二の可能性に賭けたでしょうね』 『でも私は与えられた役割を演じなかった。 力の奪い合いを目的とした『涼宮さんに対する解り易い敵役』という役割をね。 きっと藤原くんは未来人の知識によってそれを知っていたんじゃないかしら。だから私を憎んだのだと思う。 私が本気で役割を演じていたなら、もしかしたら藤原くんは『お姉さんを救う』という大望を果たせたのかもしれないのだから……』 あたしは言わなくちゃいけない。 あたしが知っていて、佐々木さんも彼も知らない事がある。特に「彼」にだけは知りようも無いことがあるのですから。 それに佐々木さんが知らない、或いは知ってて知らないフリをし続けてる、 けれど、とても大切な事があるのですから……。 五月、桜の葉の緑がいよいよ濃くなる季節。 節くれだった幹、青々と生命に満ちた緑の葉を見ていると、あの四月の儚げな桜とは別の植物であるかのように錯覚させられる。 それを見つめる佐々木さんの姿が、一層儚げに見えてしまうような、そんな気がした。 だから、あたしは 「葉桜、ですね。佐々木さん」 「そうね橘さん」 見返す笑顔はいつもと同じ 「そうそう桜と言えばですね、桜餅が美味しいお店があるんですよ」 そうしてあたし達は葉桜の桜並木を連れ立って歩いた。本音を葉っぱで包むように。 桜葉で包まれた独特の感触のもち米を頬張り、お茶を頂く。 ほのかな桜の葉の香りとお茶の味わいがさっぱりと餡を口内で溶かしてゆく様は、少し早い初夏の香りを思わせる。 「美味しいですね。さすが話題のお店なのですよ」 「ちなみに、このようにもち米を加工した道明寺粉を使う『道明寺』がいわゆる京風、中部以西の西日本側、及び東北日本海側と北海道に 小麦粉ベースの生地を延して焼いた『長命寺』が江戸風、関東甲信から東北太平洋側に おおざっぱに言えばこんな感じで分布しているらしいわね」 「へえ、二種類あるんですか」 相変わらずの博識さです。 「ねえ、佐々木さん」 「あら橘さん、葉っぱは食べないの?」 いえあたしはどうも……って話をそらさないで下さい。 「ですから」 「あ、店員さん。桜餅もう一ついただけます? それとお茶もお願いします」 「はーい」 ああもうこの人は。 「ねえ、佐々木さん」 「……行かないわよ」 何処へとも誰にとも言う前に断言された。いつものパターンだ。 佐々木さんはどこか寂しげな、センチメンタルな気配を漂わせたまま。それでも彼女の頑固さはちっとも変わらない。 もういっそ「彼」を頼るべきなのでしょうか。 けれど、彼と彼女を接触させることは「神の力の簒奪」に否応なしに繋がります。他組織は鉄壁のガードを敷くでしょう。 現代では「機関」が、宇宙からは情報体が、そして未来からも強力に干渉されています。 あたし達は彼の前に姿を現すことすら容易ではありません。 彼女には願いがある。 だから彼女が彼に接する事は他組織にとって大問題なのです。 彼はただの一般人。ただの一般人という事は、彼を「鍵」に変えたように「誰にでも鍵になりうる可能性がある」という事でしょ? だから、彼と涼宮ハルヒへの干渉はあらゆる組織で問題となっているのです。 だからこそ「組織」は未来人誘拐事件なんてバカな真似をしてしまったのです。 強力な干渉に焦っていたし、それにあたし達は「あたし達が異能者である」と彼に認識をさせなければいけなかった。 そうしなければ、彼を通じて佐々木さんを納得させることも出来ない。 あたし達が超能力者である、と、彼女を納得させられない。 我ながら短期的な見方。けれど焦っていたのです。 そう。「力を持たない、けど神らしきもの」を信奉するだけでは「力を持つ神らしきもの」を擁する者達に対抗できません。 誰だって後者を信頼するに決まっている。物だって人だって金だって全部後者に集まるのです。 あたしたちは良く言えば「対抗馬」、悪く言えば「かませ犬」でしかない。 あたし達の神様こそが、佐々木さんこそが本来の神様なのに。 アイデンティティの崩壊を防ぎたかった。 ……だから失敗した。 あたし達は、あたし達であろうとして失敗した。 佐々木さんを道連れにして。 「気に病む事は無いわ橘さん。それだけ未来人の言葉が大きかったという事でしょう?」 え。もしかして口に出して言ってました? 「さあてね?」 「もう」 佐々木さんの笑みは変わらない。 「キョンに『暴走する可能性の無い、平穏な世界』を望んで欲しかったのでしょう? けれどそれには遅すぎたのよ」 佐々木さんは滔々と語る。さも当然というように。 「その為には、キョンが鍵となり、なおかつ彼が『涼宮さんは暴走しうる』と思っている時期である必要があった」 「ええ。実際あたし達は今もそうなのだと思っていました」 けれど彼はそうは思わなかった。 「涼宮さんは、彼女の身内から見ればとうに安定しているのよ」 それに考えても御覧なさい、と彼女は笑う。 「それに彼女の力の為にSOS団は集まっているのでしょう? なら失われたらどうなると思うかしら?」 「そりゃ古泉さんは肩の重荷が取れてですね」 「SOS団が、よ」 言われて見れば当たり前の結論。 現代人の古泉さんはまだしも、未来人と宇宙人は本来あるべき場所へ帰る事になるのが普通だろう。 あたし達のところに九曜さんが姿を見せなくなったように。 「彼がどんなにSOS団を大事にしているかくらい、「長門さん」の為に必死の形相で現れたキョンを見れば解るでしょう?」 彼は九曜さんの手による病気に倒れた「長門さん」の為に必死になっていた。 けれど仮に力が佐々木さんに移れば、結果どうなっていたのか。 あたしは「あたし達で第二のSOS団でも組めばいい」と気楽に言った。 けれど彼にしてみれば、それは仲間と居場所を失い、信用ならない集団に囲まれるという条件に他なりません。 あの時は適当に言っただけでしたが、よく考えなくても無体な条件だったんですよ。 だからでしょうか。あの事件の後、彼はことさらSOS団でのんびり過ごしている、と古泉さんから聞きました。 それは、もしかしたら「SOS団」というものが期限付きの存在なのだ そう再確認したからなのかもしれない、と。 「ならもっと早い時期なら良かったって事ですか?」 佐々木さんは細い指を振り 「それはノーね。今度は私が問題になるもの」 言って自分自身を指差した。 「キョンと別れて間もない頃なら、私が彼を求めなかった。求めるつもりなら卒業当初から連絡でも取り合っているわ」 「私はこの一年で弱ってしまった。だからキョンを求めた。でしょう?」 「そんなことないです、佐々木さんは」 「なにより必要な状況は」 きっぱりと遮るように言う。 「私がキョンの迷惑を顧みず、かつ涼宮さんと張り合うくらいに強く彼を求めなければ成立しないわ。そんなのはありえないのよ」 そう、あってはならない。言い直しながら佐々木さんはくつくつと喉奥で笑った。 「だから藤原くんは私を憎んでいたのでしょうね」 「なんで藤原の奴なんです」 「せめてさん付けしたら?」 なんか嫌なんです。 「でも彼に協力を願ったのはあなた達。ならそのリスクも共に負うものよ」 「彼の目的は『力』で『お姉さんが生存する世界』を固定すること。前後の歴史の乱れはさておき、それだけを確定させたかった」 「ええと確かそうでしたね」 藤原……さんと、朝比奈さんとやらの言い争い。 あたしが録音しておいたテープレコーダーにも残っているから、佐々木さんだって知っている。 けれど、あたし達はそんな理由だったことすら最後まで知らなかった。 「仕方ないわよ」 佐々木さんはあっけらかんとしたものだ。 「未来人は話せる言葉が制限されているんでしょ? 禁則事項だったかしら」 「でも禁則事項で話せないなら、あたし達が知る余地なんて」 佐々木さんはちっちっちと偽悪的に指を振る。 「だから彼は言ったでしょ? 『既定事項を外れた? 僕よりも先に禁則を外したものがいただと?』ってね」 佐々木さんの空間へ入った先、あのしょぼくれた部室で「世界が融合した」時だ。 確かに藤原さんは驚愕を浮かべていた。 「藤原くんはそれまで『歴史のあるべき姿』を辿っていた。だから乗りたくも無いタクシーに乗ったし それまでにキョンを説得することが無理なのも、私が力が欲しいと言い出さない事だって、なにもかも知っていたのよ」 「けれどあの時の部室でだけは『歴史のあるべき姿』から外れていたはずね。 でなければ歴史は変えられない。既定事項から外れ、禁則事項も外し、制限の無い行動と発言を得られていたのではないかしら」 だから「僕よりも先に」ですか? でも 「ちょっと待ってください。禁則を自分で外せるなら」 「多分だけど意図的には外せないのよ」 まるで見てきたように言う。 「意図的に外せるなら『朝比奈さんが失われる』事を伝えてキョンを仲間に引き込めたはずでしょ?」 「ちょ、ちょっと待ってください」 それはそれで辻褄が合いません。 「なら禁則が外れたときに、真っ先に彼に相談すればよかったじゃないですか」 すると佐々木さんは「あらあら」と言いたげに笑った。 「部室に入った後、一体何が起きたのかはあなたの方が良く知っているのでしょう?」 そうだった。藤原さんにはそんな余裕なんてなかったんだ。 藤原さんに連れられ部室に入った時、待っていたのは「もう一人の彼」と見知らぬ女の子。 出会った瞬間に「もう一人の彼」とその子は消えてしまい、後には混乱する藤原さん、彼、あたしが残された。 しかし考えをまとめる間もなく九曜さんが現れ、古泉さんと未来人の女性が現れ、更に窓の外は見知らぬ奇妙な空間に変貌していた。 後は急流のように物事が進行し、あたしだけではなく、藤原さんさえもが混乱のきわみにあったのですから。 いや、むしろあらかじめ「予定表」を持っていた藤原さんこそ混乱していたはずです。 古泉さん、朝比奈さんという未来人、彼らは力でも言葉でもなく「その場に存在すること」で藤原さんに一撃を食らわしたのでしょう。 結局、佐々木さんの空間で、藤原さんは涼宮さんを人質にしようとしていました。 けれど、それはあくまで混乱した状況下での事でしょ? 彼は何と言っていました? 『僕がバカだった。最初からこうしてやればよかったんだよ』 彼は自嘲していたじゃないですか。あくまで仮定の話にすぎませんが、もしかしたら最後まで彼と話し合おうとしていたのかもしれません。 禁則事項を取っ払って、今度こそ腹を割って。 「事実はわからない。ただ、藤原くんは普段「発言が大きく制限される」。 しかも未来人は過去には直接干渉できず、言葉だけで過去人に折衝して目的を達成しなければならない。よく出来たルールね」 だからこそ組織的な関与が可能になるって事でしょうか。 「くく、彼が混乱してくれたのは傍聴人には好都合だったけどね。 禁則が外れ、想い人、朝比奈さんだったかな? と出会った藤原くんは、彼自身の思いをようやく吐露してくれたのだから」 「笑い方が悪趣味ですよ佐々木さん」 けど本気でたしなめるつもりなんかない。 彼女には権利がある。誰より藤原さんに振り回された彼女には権利がある。 あたし達が巻き込んだせいで、彼女は彼女が誰よりも鈍感だと知っている彼に、たった二週間の再会と選択を強いられたのだから。 一年ものブランク、たった二週間という期間、周りを固める「彼の敵」。いま思えば完全に無理ゲーだ。 そして佐々木さんが彼を思うという事は「神の力の簒奪」として疎まれるという事で……。 「彼の望みは力によってお姉さんを救うこと。だから本来は力の所持者なんて誰でもいいの。 けれど涼宮さんにそれをさせるのは不可能に近い。だから、私に移すという第二の可能性に賭けたでしょうね」 「確かにそのように言っていましたね」 「けれど問題は」 佐々木さんはくつくつと喉奥で笑う。 「私に移すために、私とキョンの同意が必要だという事。 その為には私がキョンを説得するのが一番の早道だったのでしょうけどね。彼を説き伏せるのなら自信があるし」 中学時代からそうだったもの。と楽しそうに笑っている。 そう、これまでで一番楽しそうに笑っている。 「けれど私はそれをしなかった。私は選択が終わるまで出来るだけキョンにノイズを与えないよう努めた。 今回の事件からすれば、むしろ私は居ても居なくても同じなくらいなのよ。ただ、キョンを舞台に引っ張り上げる役くらいかしら。 そう、藤原くんから見れば、私にはキョンを北高へ連れていく役割くらいしかなかったのよ」 彼女は「力の奪い合い」という舞台に上がることを放棄した。 佐々木さんが「私を選んで」と彼に望んだなら、彼にとって「佐々木さんを選ぶ」という選択肢が生まれる。 けれど彼女はあくまで理由と選択肢を呈示するだけに留めて「キミが決めてくれ」と委ね、自分の望みも役割も放棄した。 彼の奪い合い、という舞台において、彼女は影響力を自ら放棄した。 彼女は自分の弱みすら見せようとせず、全てが終わってから「ヒントだよ」とでも言う様に断片だけを明かした。 同情も友情も愛情も、彼に訴える要素はいくらでもあった。 けれど彼女は「彼にとってノイズ」だと断じた。 「私は与えられた役割を演じなかった。 力の争奪戦において与えられた『涼宮さんに対する解り易い敵役』という役割をね。 きっと藤原くんは未来人の知識によってそれを知っていたんじゃないかしら。だから私を憎んだのだと思う。 私が本気で役割を演じていたなら、もしかしたら藤原くんは『お姉さんを救う』という大望を果たせたのかもしれないのだから……」 「けれど私が現在の私であるのは私が望んだこと。それが私の望み。キョンもよく知ってくれている私の小さな望み。 私はキョンに迷惑をかけてまで今の私を放棄したくない。するべきじゃないのよ」 お茶を一口。それから、申し訳なさげに付け足した。 「もし藤原くんから『理由』について聞いていたなら、また事は変わったかもしれないけれどね」 『ふん、禁則だ』 彼がいつも言っていた言葉を思い出す。 藤原さんはいつも苛立っていた。 彼はあたし達に話したかったのだろうか、話せなかったのだろうか。 あたし達は、仲間を気取って、結局仲間になりきれなかった。禁則事項? どんな理由だったって、それが「敗因」なのは間違いない。 意思疎通、当たり前だけどとても大切なんだって、今更ながら解った気がした。 言葉は力なのだ。 だから。 「……でも、そんなのないです」 「何がかしら?」 彼女は片手で頬杖を突いている。 「藤原さんにも言い分がある事くらいは解りました。けど、その為に佐々木さんが不幸になっていいはずないです」 「だから私は不幸なん」 「嘘です」 あたしは言ってやる。 「ノイズを与えたくなかった? なに言ってるんです、佐々木さんはすごく楽しそうだったじゃないですか」 言わなければいけない。 「そうです、佐々木さんご自身も「キョンさんと一緒に居ない佐々木さん」を知らない彼にだって知らないことです。 知りようも無い事です。けれど、とてもとても大事な事です。大事な事じゃないですか。 彼と一緒に居る時のあなたは、誰よりも幸せそうだったじゃないですか」 それはとてもとても大切な事じゃないですか? 「彼もあなた自身も知らない事です。周りだけが知ってることです。だからあなた達は中学時代にああ呼ばれていたんでしょう?」 藤原さんがいつも雰囲気で語っていたように、人は言葉以外でも語れる。だから解る。 けれど、本当の形で伝えるにはやはり言葉しかないんです。 ならあなた達はもっと語り合うべきなんです。 「彼にそれを背負わせろというのかい?」 彼女の言葉遣いが変わったのは、果たして意識してなのだろうか。 「僕はキョンにノイズなんか与えたくない、迷惑なんかかけたくないんだ。そんな関係になんてなりたくないんだよ」 彼女は理性的にあろうとしている。 誰よりも、誰よりも。 けれど今回の件で、彼女の行動は誰よりも雄弁で情動的でした 彼といる時の彼女は、言葉はともかくいつだって行動が情動的でした。 だからあたしは力になりたいんです。彼女がただ自分の望みを彼にぶつけるような人ならどうでも良いんです けれど佐々木さんが自分の望みを捨ててまで他人の幸せを願うような人だから、それでも望みを隠しきれないようなただの女の子だから、 だからこそ、あたしは幸せになって欲しいと思うのです。 「佐々木さん」 だから言いたい。 「佐々木さん。彼が本当に迷惑だと思ってるなら、そもそも迷ったりなんかしないんですよ」 言わなきゃいけない。 「彼が本当にあなたを心配していないなら、涼宮さんの命がかかった時点で、あなたに力を移せばよかったじゃないですか」 彼が本当に心配していないなら、そもそもあたし達の会合にだって顔を出したりなんかしません。 そんな事さえ気付かないふりをし続けるんですか? 「涼宮さんを殺せ。 そう藤原さんが九曜さんへ命じた時に彼はどうしました? 彼は自分があなたへの人質になったり、あなたに苦労さたりするくらいならと意気込んでいたじゃないですか。 そうです。彼が何よりも涼宮さんが大事で、あなたが心配じゃないのなら、そこで力を移せば終わっていたことじゃないですか」 佐々木さんは答えない。 「あなたも彼も、お互いを大事にしすぎなんです。 ああそうですよ、あなたも彼も互いに互いの選択をすごく尊重してるんです。 例えば「選択」が終わるまで、あなたは彼に「告白された」って伝えなかった。伝えたら選択のノイズになってしまうでしょうから。 だから彼も何も言えなかったんですよ。言ったらあなたの選択のノイズになってしまうでしょうから。 けどそれでも、彼は必死に答えを探していたんじゃないんですか!」 「彼は、やれやれ、なんて言わなかった、他人事みたいにはしなかったじゃないですか!」 佐々木さんは微動だにしない。 「んん、もう!」 口元がこわばっているのが解った。食いしばっているのが解った。 あたしは涙を必死に堪えようとしているのだと、他人事のように捉えながら理解していた。 「お互いに迷惑なんかかけられても構わないと思ってるくせに、お互いに迷惑なんかかけたくないと思ってる。 なんであなた達は、あなた達は、あなた達はなんでそんなに頑固なんですか!」 いつもいつも判じ物でパズルみたいに喋ってないで、たまには本音を出してみましょうよ。 彼が本当のあなたの意思を理解しているかなんて解らないじゃないですか。 あなたが本当の彼の意志を理解しているかなんて解らないじゃないですか。 本音で喋ってみましょう? 彼は迷惑だなんて言いませんよ。 あたしが保障します。だって 「あなたが知ってる彼は、まったく気にかけてない人と一年もつるむような人なんですか? 気にもかけないような人と、一年越しの再会でも普通に喋れちゃうような記憶力に優れた人なんですか? ええそうです。彼が本当に気にかけてないなら、そもそも選択肢自体が存在しえない。そうじゃないんですか!? それに」 「あなたが、あなたがあなたであろうとする程、彼から遠ざかっていくなんて、それこそ貧乏くじじゃないですか…………」 椅子に崩れるように座り、言い切って放心するあたしの頭を佐々木さんの手がやさしく撫でていた。 何やってんですか。それこそ彼にして欲しい事でしょうに。 いえ、だからこそあたしにしてくれるんでしょうか。 いつか聞いた事があります。 人の行為は、隠された願望によるものだと。 自分にとって嬉しい行為だから、だから、人にしてあげる。そういう事もあるのだと。 佐々木さんの驚くほど小さな手の感触。こんなに小さな手のひらに、全てを託そうとしていたあたしの愚かしさ。 けれどこんなにも温かい人だから、だから、あたしはこの人に託したかったのかもしれない。 世界に不満を持たない神様、ではなく。 本当に欲しかったのは、ただ世界を「全てを肯定してくれる」神様だったのかもしれない。 あたし達は、いつでも自分自身のちっぽけさに悩むような、そんなアイデンティティに悩まされっぱなしの存在なのですから。 そうやってあたしは願った。だから今度は彼女に願いを返したい。 彼女の幸せを、あたしは誰よりも肯定したい。 それが今の橘京子のスタンスなのだ。 佐々木さんは何も言わない。 ただ、黙ってあたしの頭を撫で続けてくれた。 彼女は何も言わない。肯定も否定も、これ以上、場を混乱させるようなことは言わない。だから彼女は何も言わない。 この頑固者は、何も、言わない。 何も言わず、ただただあたしを撫で続けていた。 「ありがとうございましたぁ」 それからしばらく。カランカラン、と小気味よい音を背にあたし達は店外に歩き出す。 二人とも無言のまま。そう、あれだけ威勢の良い事を言ったとはいえ、あたしに出来る事はとりあえず思いつかない。 佐々木さんが彼に近付こうとすれば他の組織は黙ってはいないだろう。 古泉さんの「機関」は「そのつもりはない」とは言っている。けれど莫大なスポンサーを持つ以上、一枚岩はありえない。 あたし達の組織は仮に再結成しても無駄、だって「自分の願望を持っている神様」を組織は望まない。 下手すれば、また藤原さんのような人が現れるかもしれない。 あたしに出来る事は、とりあえず思いつかない。 だからと言って誘拐事件の二の舞もない。 佐々木さんに「力」がないように、あたし達はどうにも無力だった。 けれど唯一の道があるとしたら。 『少しずつですが、僕にも解ってきましたよ。エイリアンな方々がこれほど大騒ぎしてくれているおかげでね』 古泉さんが読み解いた言葉。 涼宮さんの力も恒久的なものじゃない。 もし恒久的にあるものなら、特に藤原さんは焦ったりしなかったはずだ。 彼は時間渡航できる時代から来た未来人だから「変えたい未来」は、ずっとずっと未来にある。涼宮さんの寿命よりきっと遠くにある。 その上「他人に移せる」ならなおの事だ。今回よりももっと適切なタイミングなんていくらでもあるはずだ。 あんな風に不機嫌でいるような、困難なタイミングで実施する必要なんてないのだ。 きっと「力」の寿命はすごく短いのではないだろうか。 だってそうです。 あの「力」だって、きっと元はと言えば小さな少女の願望が呼び寄せたものでしょうから。 きっと少女が大人になるまでに物語は終わるのでしょう。涼宮さんは永遠の子供なんかじゃない、ピーターパンなんかじゃないのですから。 「葉桜、もう先端が黄色くなってるのもあるわね」 「……そうですね」 青々としている気がした葉桜も、よくみるとほんの少し黄ばんでいた。 あの桜の季節、葉桜、そうして季節が過ぎ去っていく。 彼と彼女の過ごした季節が遠ざかっていく。 「もう少ししたら梅雨ね」 言って、佐々木さんは眩しそうに空を見上げていた。 空は宵闇に染まろうとしているのに。 あたしはせめて橘でいよう。 常緑樹の橘の樹のように、彼女の傍らにいよう。 この頑固者の彼女が、今度こそ素直になれる日が来るにしても、どこか別の誰かを好きになるにしても。 誰よりも貧乏くじな生き方をしている彼女の、ほんの少しでもいい、力になって生きてみたい。 彼女の誰よりも幸せそうな笑みを、もう一度見てみたい。 「桜餅、美味しかったですね。でも葉っぱなのに年中食べられるって不思議です」 「あれは塩漬けを使っているからね……」 佐々木さんの口が回りだす。 彼のようには行かないし、彼のようにある必要はない。 彼がSOS団の代替を求めなかったように、代替なんか彼女は求めていないのだから。代わりなんてどこにもない。 彼女の想いだって代替物で急いで埋める必要なんてない。彼女が卒業した時に望んだように、そっと塩漬けにしておけばいい。 だからあたしは、そう、橘としてここにいます。 だからまた笑ってください。 そうですよ。 彼だってあなたを放っておくはずはありませんしね。 鉄面皮のあなたが最後にさらけだした感情を、あのセンチメンタルな去り際を見て、放っておくような人ではないはずですから。 あたしはそう信じています。 だから、せめてそれまでは一緒にいさせてください。 あの素敵な笑顔がもう一度見れる日まで、もう少しだけ一緒にいさせてください。ね、佐々木さん。 )終わり ■「に、しても」 「なんでキョンとの最後の会話まで知ってるのかしら橘さん?」 「あ、いえ、え、その」 あたしが思い切りしばかれた事は言うまでもない。 だって心配だったんですよう……。 )終わり
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編集者は市町村の項目について空欄を埋めていく。 また表外のその他、備考欄に追記情報や条例URLのリンクを記入していく。 編集について、項目の内容についての説明は「項目内容」を参照。 市町村 条例名称 状況/記入年月 形態 投票資格 年齢 外国人 結果の決め方 結果の取扱 備考 A市 ○○条例 作成中/2010-12 個別 住民 満○○歳 含む 投票率 アンケート 自治基本条例 B町 住民投票条例 検討中/2010-12 常設型 市民 3年在住 投票数 尊重する H○○.○.○施行 C村 市民投票条例 施行(省略) ? 福島市 会津若松市 郡山市 いわき市 白河市 須賀川市 喜多方市 相馬市 二本松市 田村市 南相馬市 伊達市 本宮市 桑折町 国見町 川俣町 大玉村 鏡石町 天栄村 下郷町 檜枝岐村 只見町 南会津町 北塩原村 西会津町 磐梯町 猪苗代町 会津坂下町 湯川村 柳津町 三島町 金山町 昭和村 会津美里町 西郷村 泉崎村 中島村 矢吹町 棚倉町 矢祭町 塙町 鮫川村 石川町 玉川村 平田村 浅川町 古殿町 三春町 小野町 広野町 楢葉町 富岡町 川内村 大熊町 双葉町 浪江町 葛尾村 新地町 飯舘村 その他、備考欄 ※注意:条例リンクはPDFのURLでは無く、PDFリンクが掲載されているページURLへのリンクとする ※注意:改行はシフト+エンター 福島市 会津若松市 郡山市 いわき市 白河市 須賀川市 喜多方市 相馬市 二本松市 田村市 南相馬市 伊達市 本宮市 桑折町 国見町 川俣町 大玉村 鏡石町 天栄村 下郷町 檜枝岐村 只見町 南会津町 北塩原村 西会津町 磐梯町 猪苗代町 会津坂下町 湯川村 柳津町 三島町 金山町 昭和村 会津美里町 西郷村 泉崎村 中島村 矢吹町 棚倉町 矢祭町 塙町 鮫川村 石川町 玉川村 平田村 浅川町 古殿町 三春町 小野町 広野町 楢葉町 富岡町 川内村 大熊町 双葉町 浪江町 葛尾村 新地町 飯舘村
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登録日:2020/04/29 (水曜日) 19 10 08 更新日:2024/03/27 Wed 21 55 41NEW! 所要時間:約 5 分で読めます ▽タグ一覧 NG5 オルバ・フロスト フリー声優 ユリアン・ミンツ ヨハン・リーベルト ロボタック 伊達にあの世は見てねぇぜ! 佐々木望 何故かなかなか立たなかった項目 冥府神ワイバーン 努力の人 堂馬広登 声優 声優項目 島鉄雄 広島市 広島県 望さん 東大卒 歌手 水滸のシン 浦飯幽助 王子 佐々木(ささき)望(のぞむ)は日本の声優・歌手である。 愛称は「望さん」。また林原めぐみからは「王子」という愛称をつけられている。 ●目次 ■プロフィール ■概要 ■特色 ■その他 ■主な出演作◆テレビアニメ ◆劇場アニメ ◆OVA ◆WEBアニメ ◆吹き替え ◆特撮 ■プロフィール 生年月日:1967年1月25日 出身地:広島県広島市 身長:160cm 血液型:O型 事務所:フリー ■概要 1980年代後半から活躍している男性声優。 声質・ルックス共に中性的な魅力が持ち味で、男性アイドル声優の先駆け的存在と言われている。 デビュー当初はアーツビジョンに所属。フリーになった後で81プロデュースに所属し、2013年11月に再びフリーとなっている。 日本ナレーション演技研究所に特待生として入学。 1986年にテレビアニメ『ドテラマン』に出演し声優デビューを果たした。 その後は1990年代前半にかけて『21エモン』『おぼっちゃまくん』『幽☆遊☆白書』等で主要キャラクターを演じ知名度を上げていく。 1989年には『鎧伝サムライトルーパー』の主演声優5人で音楽ユニット「NG5」を結成し、アーティストとしても活躍するようになる。 中性的な容姿だったこともあり、当時は女性ファンから圧倒的な人気を博し、ユニット結成時にはマスコミからも取り上げられるほど注目を集めていた。 フリーとなった2013年には46歳で東京大学を受験し見事合格を果たす。そして7年後の2020年に法学部を卒業した。 ちなみに卒業まで東京大学へ入学していたことは伏せていたので、卒業した当時はネットニュースなどでも取り上げられ、声優仲間からも卒業祝いのメッセージが多く寄せられたという。 ■特色 デビュー当初は少年のような透き通ったハイトーンボイスが特徴的で、『21エモン』のつづれ屋21エモン、『幽☆遊☆白書』の浦飯幽助、『うしおととら』の蒼月潮などの少年主人公を多く演じていた。 また『機動新世紀ガンダムX』のオルバ・フロストのような冷酷でナルシスト気味の人物、『AKIRA』の島鉄雄のように作中でガラリと性格が変貌する人物など癖のあるキャラも何人か演じている。 だが年齢と経歴を重ねるにつれて段々と声質が変化していき、現在はデビュー当時とは別人のような低い声質となっている。 これに関しては「ある作品で声を非常に酷使したため」とのことだが、当人は「その作品に迷惑をかけたくないから」との理由で詳細は伏せており、今後もこのことに関して詳細を明言する事は無いと公言している。 とある雑誌のインタビューでは、多忙な時期に喉を酷使したせいで炎症を起こしたと明かしており、「発声法に無理がある」と指摘を受けてからはトレーニングにより発声法を変えることになったと語っている。 この時に喉に負担をかけない発声法を調べるために海外の文献まで含めて広く勉強しながら調べたところ 向学意欲が爆発して 概ね声優としての仕事ができるほど喉が回復した後も後述のようにさまざまな分野の勉強を続けることになった。 『幽☆遊☆白書』の浦飯幽助の声は様々な機会で再録が行なわれており、声質の変化の紆余曲折を知ることが出来るが、その中でも近年の『モンスターストライク』とのコラボでは、これまでの再録と比べて『全盛期の声に戻りつつある』という意見もあった一方で、やはり声質に違和感があるという意見も少なくなかった。 声質が変化してからは、デビュー当初のような少年役よりも、大人役を演じる事が多くなっている。 アメリカのドラマ『ビバリーヒルズ高校白書』のデビット・シルバーの声を担当している事でも知られ、デビットの成長に合わせて佐々木さんのほうも声を低く変化させている。 ■その他 趣味は読書と語学で、多くの国の言葉を学んでいる。 特に英語が堪能であり、海外のアニメイベントでは通訳を付けずに全て自分でインタビューに答えている。 2009年には英語検定1級を取得していることを公表。2020年には国家資格の全国通訳案内士を取得していることを発表している。 ■主な出演作 ◆テレビアニメ 短鬼(ドテラマン) ルナン(機動戦士ガンダムΖΖ) ゼン小川(マシンロボ ぶっちぎりバトルハッカーズ) 中江兵太(ミスター味っ子) 毛利伸/水滸のシン(鎧伝サムライトルーパー) 柿野修平(おぼっちゃまくん) おそうじまん〈初代〉、めざましくん〈2代目〉、ハムサンドくん〈初代〉、もっきんまん〈初代〉、ハニー〈5代目〉、シャーロくん〈3代目〉(それいけ!アンパンマン) 内木翔(チンプイ) 桃太郎(桃太郎伝説 PEACHBOY LEGEND) プラム(魔法のエンジェルスイートミント) 源氏あげだま/あげだマン(ゲンジ通信あげだま) つづれ屋21エモン(21エモン) ロベルト・バゼッティーニ(あしたへフリーキック) 浦飯幽助(幽☆遊☆白書) 大空翼(キャプテン翼J) オルバ・フロスト(機動新世紀ガンダムX) 高宮鋼太郎(B'T-X) ハル(ネクスト戦記EHRGEIZ) 柊沢エリオル(カードキャプターさくら) 北野祐一/ストラス(デビルマンレディー) ハム(モンスターファーム シリーズ) 茂手もて夫(ドラえもん(テレビ朝日版第1期)) ジョー(アソボット戦記五九) カン・チャン(キックオフ2002) 月光ハヤテ(NARUTO‐ナルト‐) 堂馬広登(蒼穹のファフナー) レオナ(火の鳥 復活編) ヨハン・リーベルト(MONSTER) ウインナーくん、いとこんくん(おでんくん) カール・フェイオン(BLOOD+) ヤン・ジュンギュ(フルメタル・パニック!シリーズ) 伊良子清玄(シグルイ) メロ(DEATH NOTE) ロドニー・フォード(エレメントハンター) グランドロコモン、ナイトチェスモン/ルークチェスモン(デジモンクロスウォーズ) 柊沢エリオル(カードキャプターさくら クリアカード編) ギイ・クリストフ・レッシュ(からくりサーカス) メシア・タイール(ゲッターロボアーク) ◆劇場アニメ ハサウェイ・ノア(機動戦士ガンダム 逆襲のシャア) 島鉄雄(AKIRA) エラム(アルスラーン戦記) ゲイス・H・ヒューゲスト(機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ) ◆OVA ユリアン・ミンツ(銀河英雄伝説) 西城ヨシオ(がきデカ) 山門武(暗黒神話) 鈴木太郎(ひとりぼっちの宇宙戦争) 蒼月潮(うしおととら) バド(MEGAZONE23 III) 雪代縁(るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚- 追憶編/星霜編) ◆WEBアニメ 新巻鷹弘(7SEEDS) 天津影久(無限の住人-IMMORTAL-) ◆吹き替え 担当俳優 ブライアン・オースティン・グリーン アニメ エドワード(きかんしゃトーマス)※テレビ東京、Eテレ版 マップ君(ドーラ/ドーラといっしょに大冒険)※テレビ東京版 ◆特撮 ロボタックの声(テツワン探偵ロボタック) トリノイド19号ハゲタカライチの声(爆竜戦隊アバレンジャー) 冥府神ワイバーンの声(魔法戦隊マジレンジャー) ギルマーダの声(動物戦隊ジュウオウジャーVSニンニンジャー 未来からのメッセージ from スーパー戦隊) 伊達に追記・修正はしてねぇぜ! △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 40代で東大に入学して卒業するってすごい -- 名無しさん (2020-04-29 19 45 23) ワートリのわくわく動物野郎もといハイレインもこの人だよね? -- 名無しさん (2020-04-29 22 29 44) 佐々木希、ささきのぞみと紛らわしすぎる問題 -- 名無しさん (2020-04-29 22 37 33) 通訳案内士の資格はマジてとんでもないぜ -- 名無しさん (2020-04-30 01 45 36) 四十代で大学にも凄いが東大で法学部とか凄すぎでは? -- 名無しさん (2020-04-30 02 28 35) 色々な意味で有名なK9999の中の人でもありますね。 -- 名無しさん (2020-04-30 10 03 24) ジャンプ世代としては遊戯王のDM版以降のシャーディーも外せない。まだ声代わりが激しくなかった頃。ドラクエのサマルトリアの王子も若々しくてよい(ドラマCDの項目を別個になるけど)ゲームはFF3のデッシュ以外はほぼ全部アニメキャラのゲーム出演だしいらんか。 -- 名無しさん (2020-04-30 10 37 02) ありゃ望にーさん項目なかったんか。 -- 名無しさん (2020-04-30 12 45 51) 荒れる元になるコメントとそれに関わるコメントを削除しました -- 名無しさん (2020-05-10 12 15 32) 喉潰したのって酒とたばこもなかったっけ? -- 名無しさん (2020-05-15 19 51 04) ↑それデマだぞ 流石に佐々木さんに失礼だし可哀想だからそういうひどすぎるデマはやめよう -- 名無しさん (2020-05-17 00 35 56) 幽白レギュラー声優ではめっきり見なくなったけど東大卒業ニュースで浦飯幽助の声優と表記されて今の人は名前を知ってる人自体が少ないかもしれない…。 -- 名無しさん (2020-05-21 20 49 41) ↑一時期声が本当にかすかすでほぼ活動してなかったからねえ -- 名無しさん (2020-05-26 15 16 02) クラウドの声は最初櫻井孝宏じゃなくてこの人だったっけ? ザックスも -- 名無しさん (2020-05-26 19 41 26) ↑PSのエアガイツで初めてついたからこの人だね。櫻井氏はKHから。 -- 名無しさん (2020-05-26 20 43 46) ごめん補足。ACが最初のはずだからこの人は2代目。ザックスはACにいなかったから初代。 -- 名無しさん (2020-05-26 21 04 16) 劇場アニメ版閃ハサにおけるハサウェイの声優変更時に「えっわっ私じゃない??」とのツイートで荒れたが、後に調査局部長役で出演していたことが判明 -- 名無しさん (2022-01-27 22 00 16) 幽助はまだ出来ても柿野くんは流石にもう無理だろうな・・・・ -- 名無しさん (2022-10-23 11 40 06) 名前 コメント
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佐々木さんの、『カルマ』熱唱の巻 ♪ガラス玉一つ落とされた 追いかけても一つ落っこちた 佐々木の声がカラオケルームにやわらかく流れる。 元々ややハスキーな佐々木の声は、女性ボーカルよりも、 ハイトーンの男性ボーカルの方を上手く歌える。 それは中学時代から変わらないようだ。 ♪必ず僕らは出会うだろう 同じ鼓動の音を目印にして ここにいるよ いつだって呼んでるから 中学の元同級生連中、主に中河らの涙ぐまいし努力のおかげで、 うちわの同窓会が開かれた。まあ1年ちょっと会わなかった程度だし、 佐々木や国木田のように顔を合わせてるメンツも多いので、さほど新鮮味はないのだが、 懐かしい顔ぶれと笑いあうのはそれなりに楽しい。 建前上、酒も飲めない高校生の同窓会なわけで、二次会はカラオケルームに、 少人数で分散して入ることになった。俺は何故か国木田と、親しかったもう一人、 そして佐々木とその友人3人という、あまり代わり映えしない顔ぶれでこの部屋に押し込まれた。 何故か全員頬がやや赤いのは内緒だ。うむ。お酒は二十歳になってからだ。ひっく。 ♪一つ分の陽だまりに 二つはちょっと入れない ガラス玉一つ落とされた 落ちたとき何か弾けだした 普段、カラオケなどとは縁がないような印象の佐々木だが、なかなかどうして、堂々と歌っている。 何故かこっちをやけに強い瞳で睨んでいるように見えるのは、きっと酔いのせいに違いない。 いや飲んでないぞ。健全な高校生ですから。 これも佐々木の受け売りだが、ドイツ語ではビールは「液体のパン」というらしい。 うむ、パン食べただけだ。それもコップ一杯だけだから。 ♪ここにいるよ 確かに触れるよ 一人分の陽だまりに 僕らはいる 「そういやキョン、お前佐々木さんはまだつづいてんのか?」 ほろ酔い気分、というにはやや赤い顔で、しかし酔っ払ったというにはやや真剣な表情で、 かつての級友が語りかけてくる。国木田、そこわくわくした表情で予備のマイク向けない。 あと女子が興味しんしんでこちらのやりとりを注目してる気がするんだが、まあこりゃ意識過剰だな。 続くも何も、最初からそーゆー関係じゃないっての。何勘違いしてんだ。佐々木に聞こえたら気ぃ悪くするぞ。 佐々木の声にかぶるように、ひそひそと返答する。 ちょうど佐々木の声量が、何故か大きくなったので、多分聞こえなかっただろう。 ♪忘れないで いつだって呼んでるから 同じガラス玉の内側の方から 急に寒気がした。何か女子の方から、隙間風吹いてないか? なあ国木田。 膝に置いたジャケットをはおりながら国木田に聞くと、何故か冷たい視線で睨まれる。 ああすまん、選曲の邪魔したな。 だいたいだな、佐々木は中学3年の時から、俺にはもったいないくらいの出来た親友なんだ。 惚れただの腫れただの、お前らはそうやってすぐからかうけどな、佐々木がそーゆー噂で 傷ついたらどうするんだよ。 何だろう。本格的にアルコールが回ってきたのか、どうも舌を上手くコントロールできない。 リモコンに説教し始めたぞ俺。 本当にあいつは、勉強から、他の様々なことから、いつも色々と教えてくれて、 透明な、でも底の見えない不思議な笑顔でいつも微笑む、とびきりの親友なんだからな。 あいつからは、いつももらってばかりなんだ。せめてあいつの足を引っ張らないくらいしか、 俺は友人としてはできないんだよ。お前らも少しは気をつかってやれってんだ。 本当に、佐々木はとびっきりのいい奴なんだからな。 なんだろう。佐々木の曲が終わる前に、妙に眠くなってきた。ああ、テーブルが近い。 「ギリギリ赤点回避というところかな、でもせめて「いい奴」じゃなくて「いい女」くらい 言ってあげなよ、キョン」 国木田の声を聞いたような気がしつつ、どうやら俺は寝てしまったらしい。 最後に、佐々木の歌がようやく最後のフレーズを歌い終わるのを、 聞くともなく聞いていたような気がする。 ♪そうさ必ず僕らは出会うだろう 沈めた理由に十字架を立てるとき 約束は果たされる 僕らは一つになる いかん、せっかくの二次会だというのに、途中で眠り込んでしまった。 佐々木に起こされて、手を引かれてあわてて出て行くと、 会計を済ませた残りの連中が、生暖かい視線で出迎えてくれやがった。 すまん、ちょっと酔ったらしい。 頭を下げたが、何故か国木田と、さらにもう一発、軽く蹴るマネをされた。 いや、途中で寝たのは悪かったけど……おうち。 何故か女子2人には、背中にもみじビンタをくらう。しかもちょっと本気だ。 蹴りまねより遥かに痛い。 おい、そこまでするか。 「お酒で口割らせてもあの程度だもんねー」 「佐々木さんの歌、ちゃんと聞いてなかったでしょう、かわいそうな佐々木さん」 だからしょうがないだろう、不可抗力という奴だ。 アルコール分解酵素をもたらしてくれなかった、俺の先祖に言ってくれ。 「まあ、あのロケーションで、佐々木さんも勇気振り絞って歌ってたんだから、 キョンはもうちょっとそこらへん汲んであげなよ。僕らだって色々手伝ったわけだし。 まあ僕の目からすると、キョンにしては大分頑張ったと思うけどね」 意味がわからんぞ国木田。 何言ってるかわかるか佐々木? まだ俺の手をひいてくれていた佐々木に尋ねると、 歌と酔いとで軽く上気した頬で、佐々木はいつもより、ちょっとだけ意地悪そうな笑みを浮かべ、 俺の唇に人差し指をそっと当てた。 「禁則事項だよ、キョン」 そうささやいていつものように佐々木は笑う。 佐々木、それは朝比奈さんの台詞だから、取らんでやってくれ。 「こういう時に、他の人の名前を出すあたりがねえ」 「まあキョンだしね」 皆がやれやれと肩をすくめる。おまえら、全員俺以上に酔ってるだろ。 おしまい